依存症は治らない。では依存症からの回復とは何か?という話になって、これまで使われてきた言葉を羅列すれば例えばこうだ。
ある人は仕事に就けるようになること。
ある人は自分らしく生きられるようになること。
ある人は自分の力で生きられるようになること。
ある人はシンプルにギャンブルをやらずに生きていけるようになること。
他にも様々だ。
ここ最近は、治らないという言葉こそがスティグマを生み出しているかもしれない。今こそ依存症の治るを再定義しようという発信をする人たちもいる。
僕はその他ならぬ言葉遊びをもっとファジーにした方がいいと思っているので、「元気になる」と言い換えている。
他者に理解してもらう上で、共通の言語を持つ事だったり、数字で優位差を説明することは科学としては当然あるべき姿なのかもしれない。しかし元気になるを定義した瞬間に、そこからはみ出す人がでてくる。曖昧でいいことは曖昧のままでいい。これが今の僕のスタンスだ。
だからこそ、施設でギャンブルをやめている期間がこれくらいだから、もう大丈夫だ。後どれくらいで仕事についてなどと自ら型にハマろうとしない方がいい。その一般論からこぼれ落ちる経験はたくさんしたじゃないか。
元気になる過程として、ギャンブルをやめている状態があるかもしれないけど、それを元気になったと思わないでほしい。
また、これは知っててほしい。
待てない、
これは自分のペースで物事を動かしている顕著な症状で、
もし依存症が自己中心的な病だとしたら、
症状がバリバリの状態なので元気になったとは言えない。
症状が出ていて無視すれば悪化することだってある。