概ね1年をプログラム終了までの期間と考えていて、その後就労を視野に入れた社会復帰をcobyplanでは推奨している。
この期間に関しては、時にはしっかり、時にはのんびりとバランスよくできる期間かなと。ただこれは今の段階では経験に基づく勘でしかなく、これから色んな力を持った人が訪れるはずなので、もしかすると変わっていくものなのかもしれない。
さて、ここから先が本題。
入所して2ヶ月の彼が僕にMAXBETしてきたのだ。この2ヶ月間に2度パチンコ屋に行き、手持ちの数百円をすっからかんにして帰るという極一般的なギャンブラーなのだが、クリーン1ヶ月を目前に仕事をしたいと懇願してきたのだ。
そう。懇願する相手が違うというのが正直なところであり、残念なところでもある。これではまるで僕が彼を拘束しているみたいではないか。その辺りから話をして、彼の本題の仕事復帰の話へ。
彼が僕を説得するために持ってきた論理はこうだ。
いつどのタイミングであっても、100パーセント再発しないで社会復帰出来ることはない。なのであれば、早く仕事をしたい。
僕の話はこうだ。
主治医にはなんと言われている?(脳が回復するまでには1年はかかると言われている)
ここには何をしにきたのか?
するとここにきた理由を言語化することは難しい。いい機会だと思い再度説明する。
犯罪を犯して罪滅ぼしのためにきたのではない。
借金を整理するためにきたのでもない。
ならばあなたに関わっている人たちに、社会復帰できそうですって後押しするための材料を考えよう。何かある?
…
……
それは見つからないらしく、結局懇願されるという構造になってしまう。仕方なく、1年の半分6ヶ月くらいを目安に仕事復帰をやろう。期間が半分になるからやることは倍になるって事だけどって話したら、それでも長いと。
ここまでくると、これは理屈ではない。
なーんだ。相談にきた訳ではなく、報告にきたのかと残念な気持ちに。
それならそう言ってくればいいのに。
で、どうしたか。
ドラゴンボール的に言うと精神と時の部屋に入ってもらう事にした。COBYPLANの日中活動は週に5日なんだけど、土曜日に補講を行う事にした。夜のGAには週に4日遠くても参加する事にした。金銭管理や服薬管理はプランを変更し自己管理にした。
ま、優先順位が変わってしまうことが依存症の問題であると思うのだけど、ここは一緒にやってみないと僕も含めて分からないだろう。過酷だけど頑張ってみよう。
チャレンジすることも、失敗することも本人の権利なのだから。