COBYPLAN

ブログ

救急車で帰ってくる

2019/03/02

なかなかパチンコがやめられない彼は、サポートしてくれている仲間に預けている財布を持って走って行った。

1日の生活費2000円を持って彼は走った。

そしていつも通り数時間後戻ってきた。

ただ彼は救急車に乗って戻ってきた。

COBYPLANに入所される方は、ギャンブル依存症とは別の精神疾患を持っている方も少なくない。

彼もまたそうだ。

当然不要なものは医師に相談して減薬の方向性となる。

先日から減薬にチャレンジしている彼は、昨夜0時過ぎに首から背中にかけての痛みを訴えコールしてきた。どうやら引っ張られる感じだという。

その場でできる対応を取り、そして今日の出来事だ。

 

自転車で30分のところにあるパチンコ屋まで、再度出現した症状のために自転車でまっすぐ走れない中、何度も車道に飛び出しそうになっては修正を図り、

事なく到着した。

その名もBE1。

余談だがパチンコ屋のネーミングは本当に意味深。

BE1って1番になるっていう風にも思えるし、(これはギャンブラーにとってはロマンがある。)僕なんかは一文無しになるって読み替えてしまうけれども・・・。

それで彼は一番の出玉を獲得するために、通称5スロと呼ばれるレートが低く長く遊べるBIOHAZARDという機種を選んだそうな。

BIOHAZARD・・・。BIOHAZARDには生物学的有害物質という意味もあるのは既知のこと。

彼がチャレンジしている減薬により、自分が生物学的有害物質を体内に生成していたとは誰が考えただろうか。

初勝利は目前だった。連チャン突入したからだ。意識が遠のきそうになるも必死でこらえ、休憩のコールの後玉の何枚かを換金し、近くのドラッグストアに飛び込み痛み止めと湿布を購入した。

「連チャン終了までは俺の体、持ってくれ!」

そんな彼の声が聞こえてきそうだ。

結局彼の願いは叶わず、遠のく意識の中806枚の出玉を見つめながら救急車を呼び、施設に戻ってきた。連チャンも強制終了させられた。

自分のBIOHAZARDによって。

 

彼は言った。

後ろから引っ張られる感じは、パチンコやめとけってことだったんだよ。

TOPへ