COBYPLAN

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だれのこと

2024/09/26

親子で面談に来た。

 

本人はギャンブルによる借金で自死も考えたことがある状態だった。

もうどうしようもない状態だった。

 

本人と一緒に金の算段を考えた。

結局、闇金から金を借りてボーナスまで食い繋ぐしか方法はなかった。

勧めないし、本人もそれはやりたくないと言った。

 

今すぐ会社を辞めて治療しよう、社長に話そう僕も手伝うと言った。

 

母は、それはあまりに急すぎるといった。

 

僕は、なぜそう思うのか問うた。

会社や社長に迷惑をかけると言った。

 

本人と一緒にどうやって生活するかを考えた。闇金の他に方法がないという決断に至った。でもそれは、したくないと本人は決めた。

 

会社の社長には迷惑をかける、本当に迷惑だ。でも今、母は誰のための話をしているのか聞いた。

 

母は黙った。

 

僕は本人の生きるか死ぬかを考えて話をしているのに、なぜあなたは体裁を考えるのか?

 

 

 

そんな暑苦しいやり取りも、現場では起こる。

 

でも僕は譲れない、命懸けだからだ。

知られていない事だけども、ギャンブル依存症は生きるか死ぬかなんだ。

 

そんな、ダサい体裁なんかさっさと捨ててしまって自身のやるべきことをやろう。

そう、これは彼の問題なんだ。

 

 

いただいた手製のプリンはカラメルも含めて美味しかった。

じぶんのこと

2024/08/30

僕はコントロールできないことがとても怖い。

だから、飛行機も、MRIも、ロープウェイもだめ。

 

この感覚のお陰で日常生活に支障をきたすこともある。家族や友人と企画した旅行が限定されたり、仕事で遠出する時に人より時間がかかったり。

 

とは言え、慣れてくるとやはり自分本位なのだが、その時間を使って別のことができるようになるとか有意義なところもある。

総じて、人に迷惑をかけてはいけないと言う、もはや念に近いものが僕を支配している。

 

そんな僕を解放してくれるのは、ギャンブラーとの付き合い。

この、何でも自分でと言う支配的な感覚は全く通用しないし、彼らこそ自身のその問題に取り組んでいるから、流れに身を任せて委ねてみることや、まあ何とかなるやって言う諦めみたいな事がかえって物事が好転するし、生きていく上では大切なことを彼らは教えてくれる。

 

前置きが長くなってしまったけど、今日カミさんとの話の中で自分で筋肉を動かすことができない、いつか心臓も動かせなくなる病気を患ったらの話になった。確か、コップを掴み損ねて大量のお茶をこぼしたんだと思う。その時僕は、自分でこぼしたお茶を拭きながら自分で自分のことができなくなって他者に迷惑かけて生きていくのは辛いし少しづつ苦しむのは嫌だから、家族でスイスに行ってみんなにありがとうといって安楽死すると言う話をした。

 

うんうんと聞いてくれていた彼女から、私が同じ病気になったらそうして欲しいと思うか?と聞かれた。

 

ハッとした。

そう思わないからだ。

責任とは、相手あってのことで自分本位で決めることではない。

 

山田のレベルが1上がった。

名古屋には行けない

2024/07/09

やってはいけない時、

そんな時にやってしまうのが依存症。

と、聞いたことがある。

 

今週末の旅のために、生活費を削って、数ヶ月貯めてきたお金が数時間でなくなってしまった。

 

おそらく事前に予約していたホテルや交通費はキャンセル料がかかるだろう。でもそれは仕方がない。責任とはそういう事だ。

全国の仲間たちと会うための大事な旅であってもだ。

 

本人は相当楽しみにしていただけに、残念だと思っているに違いない。そんな自分が嫌だと思っているかもしれない。

 

でも、なんと言ったらいいのか。僕の思いを正確に言い当てた言葉が思いつかないけど、病気に本気の人が僕は好きだ。

漫画ドラマ

2024/06/04

佐賀も、もうすぐ梅雨入り。 

いろんな事が起こる施設生活。最近のトピックを3つ上げよう。

 

第1章マコの運動着

スポーツのプログラムが週に二回ほどあるので、運動着は早めに準備するようアナウンスしているがお金が勿体無いのか、面倒くさいのか購入を躊躇っていたマコが重い腰を上げてチョイスしたのがこちら。

運動着の定義は様々なので、一般的な運動着について共有した。

第2章コウによる週末のアクティビティ企画書の提出

断る理由が全て消される企画書を提出され、ぐうの音も出ないスタッフのみんな。

第3章ピース回転寿司COBYPLAN新記録樹立

食べる事が大好きなピース。まさかの新記録樹立41皿。

あとで感想を聞くと、さすがにリバースしそうな感じだったという。テンション爆上がりで少し心配したが、今は平常運転に。

漫画のような、ドラマのような日々を今日も過ごしています。

ギャンブル依存症啓発セミナー

2024/05/29

昼ごはんを食べてたら、

噂のトクスケがやってきて、仕事でうまく行った自慢をしてきた。

ならば今日も奢ってもらおうと思ったけど食後だったので叶わなかった。

近頃、トクスケと同時期に入所したメンバーが立て続けに居なくなり、その度に僕らの取り組みはこれで良かったのだろうかとブレる事も正直あった中、彼の面会はありがたかった。

アポ無し、ふらっと顔出す感じは相変わらずだが今でもcobyplanをそんな場所として考えていることは嬉しかった。

ゆっくり話したかったが、そのあと佐賀県のギャンブル依存症開発セミナーでの役目があったので、すぐにその場を後にした。

 

セミナーの開催場所へ向かう道中、昨年はその場でトクスケが体験談を話した事を思い出した。

回復のバトンはゴウへと渡された。

 

ドキュメンタリー番組司会者ばりの解説を心の中で唱え現地に向かう。

本来レクリェーションで海に遊びに行く予定だったゴウに、俺と出かけるから海はまた今度ねと伝えたのは2時間前。

文句ひとつ言わず、着いてきてくれた。

そう、これからゴウが体験談を話す。そして本人に任された時間は15分。

自分の経験を、自分の言葉で話してくれた。

嘘偽りは一つもなく、誰かに認めてもらうためでもなく、そしてカッコもつけずありのままを話した。

 

今日のゴウは僕の知っているゴウだが、

話の中で出てきた、店員、前妻、警察、父、姉の誰が、今日のゴウをあの時のゴウだと思うだろうか。

仲間の中で彼は変わった。

 

セミナーが終わった後、近くの駐車場まで行き、

敷地内禁煙と書かれた看板が見える中、2人してこっそりタバコに火をつけた。

僕は大事な話を聞かせてもらったので、

ありがとうと伝えたつもりだが、

恵んでくれたタバコのそれと思われたかもしれない。

 

弁解しようと思ったが、

今日のカッコいいゴウの前でそれはできなかった。

職員の財布遊び

2024/04/24

僕は、無防備な職員の財布が目に入ったら近くにいる利用者に渡して、これで美味いもの食べに行こうと言うパワハラ上司です。

 

当然そんな事する人はいないしニヤニヤしながら、

職員が気がつくまで一緒に待つ。

 

美味いもの食べに行こうってのが聞こえてるはずなのに、それでも気がつかなければ、利用者〇〇最近いい財布買ったんだね。

いっぱい入ってそうだねと追い打ちをかける。

 

いよいよ気がついて、「それ僕のです。勘弁して下さい。」となることが多い。

 

しかし、これはとても大事な場面だ。

安心してるから、その辺にポイポイ大事なものを置いているかもしれないが逆の見方はどうだろうか。ギャンブルやりたくて疼いている人の前に無防備な手がかりがそこにある。梅干しを出されて唾液を止めろってのは無理な話だ。

 

安心しているつもりが、他人を傷つけることになる時だってある。

 

さて財布はともかく自分にとって大事なものが本当に無くなった時、どう考えるだろうか。

 

職員はプログラムをすすめていたり、小うるさい山田からの指摘もあって何とかそれは自分に非があるのではないかと思い込ませようとするだろう。でも僕たち人間は未熟だ。そうすんなりとは行かない。

 

だからこそ、怠惰を安心と言い換えていないか自分に問う必要がある。怠惰は他者への無関心だ。依存症から元気になっていくのに手放していくものだ。いつまでも被害者感情で生きていく必要はない。

 

ゴチになります!

2024/04/17

パイ投げで施設を出てもらったトクスケが、

一丁前のサラリーマンになって遊びに来た。

 

卒業した仲間が、元気な姿を見せに来てくれることほど嬉しいものはない。

どうやら初任給をもらったみたいでお腹すいたと伝えると、近くのfellow coffeeに行き食事をたべさせてくれた。

ご飯を食べられない状態できた彼が、

今日、ご飯を奢ってくれた。

 

写真は完食して全身全霊で感謝の気持ちを伝えるさま。

 

最近の仕事の状況や、

日々の生活のこと。

アメリカであったギャンブルの事件のこと。

ご飯を食べさせてもらいながら他愛もない話をし、今の生活の中に入所期間に培われたものが生きている事を聞いた。

 

 

ひっくるめて、今日の彼とのやりとりは嬉しかった。

国体

2024/04/13

こんなのに来てる。

cobyplanのメンバーが佐賀県代表で、6名参加してます。

さとし、つばさ、ひで、けんた、かい、さつき。

 

cobyplanどうだ!

ってマウント取りたくなるけど、

山田は何もしてません。サッカーはゴールシーンやメッシのドリブルシーンだけでいい派です。

オフサイドはわかるけど、オーバーヘッドキックや、ボレーシュートがサッカーだと思っている、俄にもならないキャプテン翼世代の男です。

 

とは言いつつ、試合を見てれば素人のくせにあーでもないこーでもないと注文をつけたくなるめんどくさいやつなのです、山田は。

 

でも、しない。

サッカーはわからないから観戦に徹する。そんな感じで佐賀県代表のcobyplanメンバーをみていた。

ピアノの発表会、いやお遊戯会の親のキモチ。

 

何も出来ずに不安でいっぱいになるけど、

そこに見た仲間と共に解決して行く姿。

 

感動したし、

 

 

これで(が)いいと思った。

お疲れ様、かっこよかった。

 

佐賀県代表で国体に出たギャンブラー。

cobyplan所属。

 

 

なんかいいじゃん。

人権と万舟

2024/04/05

回復を目指す人達は、プログラムを進めて行く中で戦わない事を選ぶようになる。

とはいえ、権利を迫害されてはいけない。

 

給与の差し押さえさえも、(アレ何か「さえ」が多い気がするけど間違ってないかな、まいっか。)割合で差し押さえられる賃金は決まっている。例えば全額差し押さえられて、賃金が支払われなかったら、労働者は生きていけない。

だから、法律がある。

 

仮にそんなことあったなら、僕はそれを主張するめんどくさいやつです。

 

労働者絡みで、本日人生で初めて辞令を出した。

規則上、その肩書きは係長と言う昭和のにおいがプンプンするもの。こんな事なら就業規則や賃金規定を作った時に係長ではなくCL30(cobyplan level 30 )みたいに、ドイツ車につかわれるようなかっこいいネーミングにしておけばよかった。

とは言うものの、それはそれで受け取った職員は喜び、渡した僕自身も嬉しかった。

 

だってそうじゃないか。

施設に来て、ギャンブルで人生がボロボロになった仲間達が元気になるのは嬉しい。それを続けて社会に戻って行くのはもっと嬉しい。ただ、社会で活躍する姿を見続けることは難しい。そんな中、cobyplanの職員は現在進行形で困っている仲間達に、自身が培った経験をもとに共に歩んでいる。それを共有させてもらっているのだ。

 

僕には出来ないことを彼らはやってくれる。感謝しかない。

 

そんな思いにふけながら、辞令を渡した。

 

 

帰りに、彼と話したのは他でもなく給与の話だ。

昨年度と比べれば、係長はこれくらい賃金が上がるんだね。

これはこれで、万舟だよね。

 

はい、6-2-3以来の万舟です。

 

会社にとって、人が1番の資産だ。

いい出会いをありがとう。これからもよろしく。

 

待て!

2024/02/05

依存症は治らない。では依存症からの回復とは何か?という話になって、これまで使われてきた言葉を羅列すれば例えばこうだ。

 

ある人は仕事に就けるようになること。

ある人は自分らしく生きられるようになること。

ある人は自分の力で生きられるようになること。

ある人はシンプルにギャンブルをやらずに生きていけるようになること。

他にも様々だ。

 

ここ最近は、治らないという言葉こそがスティグマを生み出しているかもしれない。今こそ依存症の治るを再定義しようという発信をする人たちもいる。

 

僕はその他ならぬ言葉遊びをもっとファジーにした方がいいと思っているので、「元気になる」と言い換えている。

 

他者に理解してもらう上で、共通の言語を持つ事だったり、数字で優位差を説明することは科学としては当然あるべき姿なのかもしれない。しかし元気になるを定義した瞬間に、そこからはみ出す人がでてくる。曖昧でいいことは曖昧のままでいい。これが今の僕のスタンスだ。

 

だからこそ、施設でギャンブルをやめている期間がこれくらいだから、もう大丈夫だ。後どれくらいで仕事についてなどと自ら型にハマろうとしない方がいい。その一般論からこぼれ落ちる経験はたくさんしたじゃないか。

元気になる過程として、ギャンブルをやめている状態があるかもしれないけど、それを元気になったと思わないでほしい。

 

また、これは知っててほしい。

待てない、

これは自分のペースで物事を動かしている顕著な症状で、

もし依存症が自己中心的な病だとしたら、

症状がバリバリの状態なので元気になったとは言えない。

症状が出ていて無視すれば悪化することだってある。

 

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