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お母さん

2022/07/07

七夕。あいにくの天気だったけど今日も素敵な男女の出会いがあった。空港にお迎えにあがって、初対面の女性と会う。ドキドキした表情で丁寧に挨拶された。電話では何度か話したことがあって、僕の中ではイメージ通りだったけど、髪の色を明るくして色気づいた、いやチャラい僕に初めは気が付かなかったと後で聞いた。

 

ちょうど1年前に、その女性と似た男性と会ったことを思い出した。サッカーボールを持って、運動着で登場したんだったか。

挨拶しても、アーハイ、田中さんに言われたんで来ました。ミーティング出なくていいんですか…。

本当はこんなはずじゃなかった。別の所に行って生活保護かかれば良かったんです。ただ2万円持っていたのに、カツアゲにあってしまって、どうしようも無く…。

大変だったな。ここで少し安全な生活を取り戻したらいい。

男性とはそんな感じの出会いだった。

 

cobyplanでは節目に家族と会って、どう生きていくのか考える機会がある。とても大事な局面と言っていい。

 

どう生きていくのかなんて、僕の考える事では無い。だからこそ、その時には両者のやり取りを見守る。そしてこれまで本人が取り組んできたこと、そして今の課題をそのまま伝える。施設でやるべきなのか否かはやはり僕の考える事では無い。

 

今日女性は、男性との2人の時間を作ってほしいから少しだけでいいので席を外して欲しいと言われた。そして、快く受け入れた。

後で聞くと女性から男性への埋め合わせだった。この埋め合わせとは依存症の方々のプログラムのワンシーンなのだが、謝罪や償いみたいなものだ。

 

とはいえ、この男女の関係で言えば多くの場面で迷惑をかけてきたのは男性の方。

お母さんは息子が施設で取り組んでいる間、自身もギャマノンや家族会で取り組まれていたことがよくわかる。お母さんは自身の問題を解決してきたのだ。ギャンブラーがどうであれ、自身の問題は何だったのかを取り組んできたのだ。

 

地元に帰りたい、家族に近くにいたいと言う息子の意思は言葉だけに終わった。

実はこの息子、数ヶ月前から福祉的な就労に出ていてお金を貯めていた。生活費もほぼ自己管理なので地元に帰ろうと思えばいつでもできる事でもあるのだ。

帰りたい気持ちは伝えつつ、面会は自分で切り上げた。

 

帰り際にご飯を一緒に食べに行こうとお母さんを誘った息子は、2回分の給料を使って焼肉をご馳走し、駅までの送迎は僕にお願いして施設に戻って行った。

 

 

お母さんといえば、数ヶ月前に本人との面談を契機にギャマノンに繋がった方もいる。お母さんの変化は顕著。これまで施設生活を送っている本人の為に、熱い思いの何かをとどけていた。食材と同時に本人が困らないように丁寧なレシピ。ちょっとしたアドバイス。今はそんなことはしない。本人にではなく、施設のみんなは何が喜ぶかと聞いて献品を送ってくれる。時々、本人のために何かしたくなるけど、それは違うと気がついてもいるので、それを施設にしっかり確認し止めることができる。これは大きな良い変化だ。ギャンブラー本人に必要なのは、お母さんじゃなく同じ問題を抱えた仲間である事を信じての行動なのだ。もちろんギャンブラー本人が、頼るのはお母さんじゃ無いと気がついて仲間を頼るようになったことは知るまい。新しい仲間が来れば誰よりも大事にするようになった事も知らないだろう。

 

僕は関わりのある方々に、何というか、こう言う、見えない力が働く瞬間を幾度と見せてもらって感謝しかない。

 

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